ETCマイレージサービスの“詭弁”

 日本道路公団(※1)から、ETC前払割引サービスの前払金支払いの受付
を12月20日までで終了する
との周知があった。

 私は、ETCを利用している。純粋に、前払割引を利用するためである。

 今まで、料金所における一時停止そのものが原因である渋滞には、ほとんど
お目にかかったことがない。スキーシーズンの関越自動車道の練馬で遭遇した
ことが何回かあるが、それでも、延々と動かないというほどではなかった。

 だから、私にとって、料金所を無停止で通過できるというのは、別に、嬉し
くも楽しくもない
のである。むしろ、一時停止して加速する他車との合流が危
険きわまりない
と思っている。

 従って、車載器を購入する必要はないはずなのだが、どういうわけか(おそ
らく、車載器メーカーとの利害関係のためであろう)、前払割引の利用には車
載器が必要なので、「しかたなく」購入した。

 もっとも、同じく車載器が必須となる深夜割引や通勤割引などの時間帯割引
を、おおいに利用しているのであるが(今のところ、早朝夜間割引は、利用す
る機会がない)。

 実は、私は、前払割引より先に時間帯割引が廃止されるだろうと予想してい
た。後者の方が割引率が格段に大きいからである。で、時間帯割引が廃止され
たら、即、邪魔な車載器を外すつもりであった。

 予想は外れた。ひょっとして、私と同じようなことを考える人が多いと読ま
れたのであろうか。

 前払割引を廃止する理由として、道路公団は「ETCマイレージサービスを
はじめ新たなETC割引を導入したことに伴い」と説明している。

 おそらく、時間帯割引は「新たなETC割引」に含まれるから、素直に解釈
すれば、時間帯割引が廃止されることはないということになる。しかし、民営
化などと騒いではいるものの、実態は変わらないであろうから、突然、ひっく
り返るなどということも、あり得ないわけではない。

 天下りの人たちの懐を満たすための財源が必要であるだろうし。

 ところで、マイレージサービスの説明の『ご質問(Q&A)』の項に、以下のよ
うなことが書かれている(※2)。

 ETCマイレージサービスは、ETC前払割引と同等の最大割引
率となっていますが、前払いが必要ない点で、ETC前払割引より
もお客様の使い勝手が良い制度であると考えております。

 客にとっての使い勝手を、提供者の側の勝手な価値観だけで決めてしまうの
は、いただけない。客にとっての使い勝手は、客の側の価値観で決められるべ
である。

 もちろん、上記のような価値観を持つ客の存在を否定したりはしない。

 しかし、客の一人である私の価値観では、前払いなどは全く苦にはならない
し、「ETC前払割引と同等の最大割引率」という部分は本質的には意味がな
(※3)し、マイレージサービスのポイントには「最大2年」(※4)とい
う、あまりにも短すぎる有効期間が設定されている(前払割引には有効期間は
ない)ので、私に言わせれば「きわめて大きなサービスダウン」である。

 だから、仮に、時間帯割引が廃止されたら、マイレージサービスの恩恵の有
無によっては、車載器を外してしまおうと思っている。

 もっとも、高速道路をあまり走らない私でも、少なくとも、2年間で5千円
という最低レベルは使うだろうから、なにがしかの恩恵は得られることになる
と思うが。

 そもそも、道路公団が本当にETCの導入を促進したいのであれば、ETC
の利用者に対する割引制度にあれこれ条件を設定すること自体が間違っている

のである。ETCの利用者は、その導入の際に、車載器の購入やセットアップ
など、決して小さくはないなにがしかの負担をしてあげているのであるから、
無条件で優遇されるべきなのである。

 「お役所仕事」だから、しかたがない。

※1 2005年10月1日を以て、東日本高速道路,中日本高速道路,西日
  本高速道路の3会社に分割された。

※2 前払割引サービスの終了(「ハイカ・前払」残高管理サービスへ移行)
  とともに、この項目は削除されたらしい。

※3 最大割引率が同じというのは、意味がない。全ての客が最大割引率の適
  用を受けられるわけではないからである。現在、前払割引の対象ではある
  がマイレージサービスの対象ではないという道路がいくつかある。また、
  道路公団の有料道路でも、高速自動車国道と一般国道とでは、付与される
  ポイントが異なり、一般国道有料道路を利用する場合のマイレージサービ
  スの割引率は、前払割引より小さい。従って、マイレージサービスの対象
  ではない道路や道路公団の一般国道有料道路を利用する客にとっては、
  引率は、間違いなく低下するのである。おまけに、現在、通行料金に対し
  てポイントが付与される有料道路は、道路公団の他に、阪神高速道路と本
  州四国連絡道路があるが、それらのポイントは合算されず、事業者別に管
  理されることになっており、還元されないで捨てられる端数が発生する可
  能性が大きくなるのである。それらが全て解消されなければ、「同等」な
  どという表現を使ってはならない。

※4 マイレージサービスを説明する文の随所に「ポイントの有効期間は最大
  2年」と書かれているが、実は、これはウソである。ポイントが付与され
  るのは、有料道路を利用した月の翌月の20日であり、また、そのポイン
  トの有効期限は、付与された年度(4月1日から翌年の3月31日まで)
  の翌年度末であり、例えば、2006年3月に有料道路を利用した場合の
  ポイントは2006年4月20日に付与され、その有効期限は2008年
  3月31日となるから、有効期間は1年と11箇月と12日(1年と11
  +1/3箇月)となり、2年には満たないのである。また、全ての客が毎
  年3月だけ有料道路を利用するわけではないから、※2と同じく、こちら
  も、「最大2年」には意味がない。最大ではなく平均の有効期間は1年と
  5+5/6箇月となる。

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