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携帯電話と電磁波に関するよくある質問



携帯電話と電磁波に関するよくある質問


 『私が携帯電話を持たない理由』について、多くのご意見,ご質問をいただ
きました。

 それらをもとに、『携帯電話と電磁波に関するよくある質問』のサマリを作
成しました。



  電磁波ってどんなもの?
  電磁波って電気や磁気が放射される現象なの?
  電磁波って本当に危険なの?
  電波って電磁波の仲間なの?
  携帯電話の電波だけが危険なの?
  自然界の電磁波と比べ携帯電話の電磁波ははるかに小さいものだと聞きましたが?
  自動車を運転しながらの通話って危険なの?
  同乗者との会話は危険じゃないの?

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Q 電磁波ってどんなもの?

A 理科の授業で、永久磁石とコイルを使って電気を起こす実験をしたことが
 ありますか。

  永久磁石とコイルが、ただ、置かれているだけでは、電気は起きません。
 永久磁石かコイルか、いずれかを動かせば(すなわち、永久磁石とコイルと
 の相対的な位置が変わるように動かす)、コイルに電気(起電力と呼ばれま
 す)が発生します。コイルの両端を、微小な電流を検出する計器(検流計と
 呼ばれます)で結べば、電流が流れることがわかります。

  また、コイルに電流が流れると、コイルが磁石(電磁石と呼ばれます)に
 なることも、よく知られているでしょう。

  電磁波とは、この、磁石による電気の発生(誘導と呼ばれます)と、電流
 による磁気の発生(これも、誘導と呼ばれます)が、交互に繰り返し起きる
 ことにより、ある場所で起きた電気や磁気が遠く離れた所まで伝わる現象な
 のです。

  前述のとおり、永久磁石とコイルが静止している状態では、電気は起きま
 せん。そこで、永久磁石の代わりに電磁石を使い、それに流す電流の大きさ
 が変化するようにしてみましょう。例えば、交流(時間の経過によって大き
 さが周期的に変わること)の電流を流してみます。すると、電磁石とコイル
 が互いに静止していても、コイルには電気が発生するのです。

  実は、これが、電柱に載っている柱上変圧器など、トランスの動作原理な
 のです。

  トランスでは、外から電流を流す側(一次側と呼ばれます)と、電流を外
 へ取り出す側(二次側と呼ばれます)とは、接続されていません(接続され
 ている場合もありますが、その接続は、一次側から二次側への電気の伝達に
 は、直接の関係はありません)。一次側から二次側へ電気を伝達するのは、
 一次側の電流によって発生した磁気なのです。

  もちろん、直流(大きさが変わらないこと)の電流を流しても、永久磁石
 とコイルが静止しているのと同じで、二次側に電気は起きません。従って、
 トランスは、交流でなければ動作はしません。

  さて。ここまででは、電流が流れる道として、コイルを準備しましたが、
 交流の周波数(大きさが変わる周期が1秒間に何回あるかを表わす数)が大
 きくなる(すなわち、大きさが速く変わる)と、コイルがなくても、空気中
 や真空中を、まるで、トランスがいくつもつながっているように、電気と磁
 気が伝わっていくのです。これが、電磁波なのです。

  よく知られている電磁波として、電波と光があげられます。光は、周波数
 が電波よりはるかに大きいですが、伝わる原理は同じです。

  他に、放射線の仲間として知られるγ線や、レントゲン線(X線)も、電
 磁波の仲間です。

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Q 電磁波って電気や磁気が放射される現象なの?

A 永久磁石とコイルの場合では、互いの相対的な位置を動かしてやらなけれ
 ば、電気は起きませんでした。すなわち、どちらかを動かすという仕事をし
 てやらなければ、電気は起きないのです。この仕事に費やされたエネルギー
 が、電気として取り出されるわけです。決して、永久磁石が持っている磁気
 のエネルギーが取り出されるわけではありません。

  電磁波の場合も同じで、電気や磁気のエネルギーそのものが伝わるのでは
 なく、電気や磁気が変化するエネルギー(波動のエネルギー)が伝わるので
 す。電気や磁気は、その場でとどまり、振動しているだけです。

  電磁波とは、電気や磁気そのものが放射される現象ではなく、電気や磁気
 が振動するエネルギーが放射される現象なのです。

  海の波や音の波と同じなのです。海の波は、沖の方から海岸へ寄せて来ま
 すが、それは、海の水が流れているわけではありませんね。空気中における
 音の速度は、およそ毎秒340メートルですが、音が伝わって来るからと言
 っても、毎秒340メートルの空気の流れ(すなわち、風)が起きているわ
 けではありません。それぞれ、波を伝える物質(媒質と呼ばれます)が、そ
 の場で振動しているだけで、振動のエネルギーが伝わっていくのです。

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Q 電磁波って本当に危険なの?

A 磁石のN極とS極が互いに引き合い、N極同士やS極同士が互いに反発し
 合うということは、よく知られていますね。また、電気の+極と−極は互い
 に引き合い、+極同士や−極同士は互いに反発し合います。

  電磁波は、電気と磁気の振動が伝わる現象です。もし、電磁波が伝わる道
 に、電気や磁気を帯びた物が置かれていたら、電磁波の電気や磁気との間で
 引き合ったり反発し合ったりして、電気や磁気を帯びた物も振動し始めるの
 です。

  ヒトを含む生物の体には、電気を帯びた物がたくさんあります。その中に
 は、構造が壊されると正常に働かなくなる物も、多くあります。それが、電
 磁波によって振動し、構造が壊されてしまい、正常に働かなくなるというこ
 とは、実際にあります。

  最も影響が大きいと考えられるのは、遺伝子に対する作用です。遺伝子と
 は、生物が、自分の体に必要な蛋白質を造るための設計図のようなもので、
 これが正常に働かなくなると、蛋白質が造られないだけではなく、生きるた
 めに必要な、ほとんど、あらゆる物が造られなくなります。生きるために必
 要な物を造ったり、毒性があるなどの有害な物質を分解したり、エネルギー
 を体内に貯蔵したり、そのエネルギーを取り出したり、その他、様々な化学
 反応のほとんどには、酵素と呼ばれる、触媒(通常は起こりにくい化学反応
 を起こりやすくする物質)の作用を持つ蛋白質(もちろん、その設計図は、
 遺伝子の中に描かれています)を欠かすことはできません。

  携帯電話の電磁波は、一般には、無害であるとされています。「実験によ
 って無害であることが証明されている」と称する文献もあるようです。しか
 し、その“実験”の実体は、実験用動物に対する、数日〜数箇月程度のごく
 短かい期間の実験に過ぎません。

  遺伝子に対する影響が、本人には何も現れなくても、子や孫に現れること
 があるということは、現在では、常識の一つとなっています。従って、少な
 くとも3世代程度に亘る期間の実験が必要です。

  また、実験用動物と人体の違いについても、当然、考慮されなければなり
 ません。例えば、薬剤の開発では、実験用動物において無害であることや薬
 効があることが確認されたとしても、その結果を以て即認可ということには
 なりません。

  これと同じことが、実験用動物に対する携帯電話の電磁波の実験について
 も言えるのです。

  そこで、現在、人体に対する携帯電話の電磁波の実験が、大々的に行なわ
 れています。そうです。現在、街に氾濫している、移動通信関連の業者によ
 る携帯電話の乱売は、人体に対する実験に他ならないと考えても、決して、
 間違いであるとは言えないのです。この実験の結果は、ひょっとすると、今
 から50年くらい経てば、わかるかも知れませんね。

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Q 電波って電磁波の仲間なの?

A 電波は電磁波の仲間です。

  電波とは、簡単に言えば、電磁波のうち、波長が1ミリメートル以上(周
 波数で表すと300GHz以下です。GHzは周波数の単位です。1GHz
 は、1秒間に大きさが十億周期の割合で変わる周波数です。従って、300
 GHzは、大きさが1秒間に3千億周期の割合で変わります)のものの総称
 です。

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Q 携帯電話の電波だけが危険なの?

A 携帯電話には、普通、周波数が数百MHz(1MHzは、1秒間に大きさ
 が百万周期の割合で変わる周波数です。従って、数百MHzは、大きさが1
 秒間に数億周期の割合で変わります)の電波(UHF帯と呼ばれます)が使
 われます。

  実は、UHF帯に限ったことではなく、電磁波は、自然界にも存在します
 し、我々が生活の中で使っている電気製品などからも発生しています。

  当然、携帯電話の電波だけが危険で、自然界の電磁波や他の電気製品の電
 磁波は安全であるなどということは、ありません。

  しかし、自然界の電磁波は、避けることができませんし、他の電気製品の
 電磁波は、生活のために必要があり、やむを得ず発生させているのです。

  携帯電話の電磁波は、特に生活のために必要があって出されているもので
 はありませんから、発生を防ぐことが可能なのです。

  「仕事のために使っている」と主張する人も、いるかも知れません。しか
 し、電車の中など、公共の場所で、しかも、すぐ近くに他の人がいるような
 場所で、周りの状況などにはおかまいなしに、携帯電話を使っている人の、
 通話の内容を聞いている(特に聞こうとは思わなくても、ほとんどの場合、
 大声なので、耳に入ってしまう)と、宴会やデートの打ち合わせや世間話ば
 かりで、実際に仕事のために使っていると認められる人に出会うことは、ま
 ず、ありません。

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Q 自然界の電磁波と比べ携帯電話の電磁波ははるかに小さいものだと聞きま
 したが?

A 数学,科学,工学などの分野では、例えば、

   a=1.00

   b=1.00+0.001

 とした場合に、

   a≒b

 と表現することがあります。

  これは、もちろん、「aとbはほとんど等しい」という意味です。

  確かに、1.00と比べ0.001は非常に小さい数であり、無視しても
 大勢に影響はないかも知れません。

  また、1.00という数値は、小数点以下第3桁(千分の一の位)が不確
 かであり、0.001という数値を加えたことを詳しく明示しておく必要は
 ないかも知れません。

  しかし、その場合でも、

   a=b

 としてしまう、すなわち、「aとbは等しい」としてしまうのは誤りです。
 あくまで、「aとbはほとんど等しい」なのです。そして、

   a<b

 という関係は、依然として成立するのです。

  工学などの分野で、

   a=b

 と見なして計算を行なうのは、便宜上、すなわち、人間の勝手な都合による
 ことなのです。

  ちょっと考え直してみて下さい。

  工学というものは、科学の上に成り立っています。そして、科学というも
 のは、自然現象を解明する学問です。当然、順序としては、最初に自然現象
 があり、次に科学があり、工学があるのです。従って、当然、人間が、自分
 の勝手な都合に従って、科学や工学を展開したとしても、それに自然現象が
 従ってくれるわけではないのです。

  つまり、人間が勝手に「a=b」と論じたとしても、あくまで、自然現象
 の場では「a≒b」であり「a<b」なのです。

  ゆえに、「自然界にある電磁波と比べて携帯電話の電磁波ははるかに小さ
 い」というのが事実であるとしても、それは、「携帯電話の電磁波には害は
 ない」という論の根拠とはなり得ないのです。

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Q 自動車を運転しながらの通話って危険なの?

A ヒトの脳は、2つ以上のことを同時に考えることができるようにはなって
 いません。「できる」と主張する人も、実は、本当に考えていることは1つ
 だけで、他は、“うわのそら”の状態になっているのです。

  例えば、自動車を運転している間に、重要な電話がかかってくると、2つ
 のことを同時に考えることはできないわけですから、運転と電話の、どちら
 かが、おろそかになるのです。

  電話の方がおろそかになるのであれば、全く問題はありません(電話をか
 けてきた人にとっては大問題かも知れませんが)。しかし、運転の方がおろ
 そかになってしまうと、交通事故の原因となり得ることは、十分に考えられ
 るでしょう。

  実際、運転しながら通話をしている人の車の後ろについてしまったりする
 と、不必要なブレーキ操作がたいへん多いことが、よくわかります。運転の
 方がおろそかになっているのです。

  「運転中も、仕事のために、電話を受けなければならない」と主張する人
 も、いるかも知れません。しかし、仕事の電話などは、地上にいる者が代わ
 って受ければよいわけですし、そもそも、仕事の電話をおろそかにするよう
 なことは、信頼の失墜につながります。

  あくまで、私の主観ですが、私は、運転中に仕事の電話を受けるような、
 “いいかげん”な人に、仕事を頼んだりは、したくありません。

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Q 同乗者との会話は危険じゃないの?

A もちろん、運転の方がおろそかになってしまうのなら、電話の場合と同じ
 ように、同乗者との会話も危険です。

  しかし、電話の場合と大きく異なる点があります。それは、同乗者は、運
 転者がどのような状況に置かれているかを、知ることができる可能性がある
 ということです。

  普通、同乗者は、運転者が運転に集中しなければならない状況に置かれて
 いるか否かを、知ることができます。そして、自分も同乗しているわけです
 から、事故が起きると、自分も被害を被る虞があるということを、知ってい
 ます。そのため、運転への集中を妨げるような会話を強要することは、比較
 的、少ないのです。

  それに対し、電話をかけてくる人は、相手がどのような状況に置かれてい
 るかを、知ることができない場合が、多いのです。それに、例え、事故が発
 生したとしても、電話をかけてきた人は、その事故に巻き込まれることは、
 ほとんどあり得ません。運転者の方も、その電話を着信しないようにするこ
 とができる(現在、運転中であることを、運転者に代わって発信者に通知す
 るサービスも、行なわれています)のにもかかわらず、それをしようとしま
 せん。その結果として、運転者は、運転への集中を妨げられることになるの
 です。

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