1997年12月20日〜21日 宴会旅行日記
目次
プロローグ 旅立ちの駅へ
1 東海道本線(1)
2 東海道本線(2)
3 東海道本線(3)
4 急行〔ちくま〕
5 急行〔アルプス〕
6 大糸線(1)
7 大糸線(2)
8 日本海縦貫線
9 小出スキー場
10 只見線
11 ラストスパート
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■■■■■■■■■■■ プロローグ 旅立ちの駅へ ■■■■■■■■■■■
12月20日、土曜日。晴れ。
夕刻に名古屋に立てばよいのだから、特に、早起きはしなかった。
TVを見ながら、ゆっくり、旅支度。
アパートを出発する頃には、10時40分をまわっていた。
駅へ直行せずに、書店に寄ったのは、『時刻表』を持っていなかったからだ
った。JTBの1月号を買い、バス停へ向かった。
11時2分に、バスは発車。昼間の通勤路線であるが、いつも、けっこう混
んでいるので、座席が埋まったバスを1台見送り、次の、“がら空き”のバス
に乗ったのである。
道路も混んでいる。しかし、朝の通勤時間ほどではない。11時13分に、
戸塚バスセンターに到着した。
そのまま、戸塚駅のホームへ向かった。
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■■■■■■■■■■■■ 1 東海道本線(1) ■■■■■■■■■■■■
戸塚発11時19分。335M。モハ210−3:東チタ。
座席は空いている。この時間に15両編成とは、不経済な気がする。
いつもの風景が通り過ぎる。もっとも、いつもは、真っ暗な時間に通過する
のであるが。
熱海で、やっと、不経済であることに気づいたのか、付属編成5両を切り離
した。
三島着12時51分。
そのまま、沼津まで乗り続ければ、多少は早く、目的地に到着できるのだが、
何を思ったのか、ここで降りてしまった。
沼津行きの列車を、1本見送り、三島始発の豊橋行きを待った。
三島発13時14分。933M。クハ111−2007:静シス。
113系の3両編成である。これはまた、一気に経済的になったものだ。
曇ってきた。富士山が、かろうじて見える。
浜松で、3両を連結して6両となった。それでも、東京口の編成の半分にも
満たない。
終点の豊橋まで、黙って乗り続けた。
豊橋着15時58分。
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■■■■■■■■■■■■ 2 東海道本線(2) ■■■■■■■■■■■■
途中下車をする気はなかったが、しばらく、改札内に滞在することにした。
立ち食いそばの店に、“うどん”ではなく“きしめん”があることに、気づ
いた。試しに、食券を買ってみた。
名古屋駅のホームの“きしめん”とは、ちょっと違うような気がする。ま、
気に入らないわけではない。
売店に、なぜか、崎陽軒の、真空パック“シウマイ”が置かれている。全国
で売っているのか。あるいは、東海道本線名物なのか。
豊橋発16時27分。581M。モハ210−5047:海シン。
ロングシートのほとんどが空いている。
蒲郡と三河塩津で、独特の雰囲気を持つ人々が、大勢、乗り込んできた。座
席も通路も埋まった。
刈谷で、大半が降りた。後続の新快速が、刈谷で抜くことになっているから
であった。それなら、岡崎か安城で乗り換えてもよさそうなものであるが。
まだ時間があるので、名古屋まで行くことにした。
名古屋着17時45分。
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■■■■■■■■■■■■ 3 東海道本線(3) ■■■■■■■■■■■■
時間はあるが、関西本線の旅行に出られるほど、時間が余っているわけでは
ない。
復路専用乗車券を買うため、精算窓口へ申し出たところ、そのまま出てよい
とのこと。なんとなく、後味が悪かったが、そのまま改札外へ出た。
駅前のポストに郵便物を投函し、名鉄セブンの方へ向かった。
ナナちゃんは、なんとも不思議な服装を身に着けていた。彼女の名誉のため、
写真撮影はしなかった。
なんとなく、中央通路を歩き回った後に、再び、ホームへ上がった。
名古屋発18時18分。1154F。モハ310−12:海カキ。
東海道本線の列車であるが、新快速なので、尾頭橋を通過する。
金山着18時21分。
まだ時間はあるが、集合場所へ向かった。
集合場所は、ゲーム屋の入口付近ということになっているが、宴会メンバー
が店の前で待っているわけがない。一瞬も迷わず、店内に入った。
1階を歩き回る。知っている人がいない。しかし、同時に、格闘ゲームが1
階にないこともわかった。
2階へ上がった。
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■■■■■■■■■■■■ 4 急行〔ちくま〕 ■■■■■■■■■■■■
金山発23時39分。194M。クモハ103−75:海シン。
金山駅で、中央本線下り列車に乗る宴会仲間と別れ、中央本線上り最終に乗
り込んだ。
名古屋着23時43分。
165系の臨時列車が東京方面へ発車するところである。おや。9372M
の名古屋発は23時42分のはず。2分ほど遅れているようである。もっとも、
2分程度の遅れなら、すぐに取り戻せるし、この列車の客は、2分程度の遅れ
には動じないはずである。
10番ホームへ。
もちろん、〔ちくま〕は、既に到着している。名古屋で22分も停車するの
である。客車列車の頃は、名古屋で機関車が交替していたのであるが、電車と
なった今では、この停車時間は必要ではない。
5号車に乗り込んだが、既に、4人分の座席を1人で占領して熟睡している
輩がいる。叩き起こしてもよいのであるが、叩き起こして自分も不愉快になる
のは、よろしくない。6号車の客の方が行儀がよかった。
名古屋発23時55分。4801M。クモハ383−14:海シン。
ほんの少しの間であるが、眠ったらしい。車内改札の車掌氏に起こされた。
あらためて周囲を見て、山屋列車となっていることに気づいた。もっとも、
これは、昔から変わっていない。
松本まで4時間足らずではあるが、本格的に眠ることにした。
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■■■■■■■■■■■■ 5 急行〔アルプス〕 ■■■■■■■■■■■■
松本着3時59分。
もちろん、まだ夜である。
〔ちくま〕から〔アルプス〕への乗り継ぎは、塩尻でもよいのであるが、松
本を選んだ。
〔ちくま〕は、塩尻では、〔アルプス〕の到着を待たずに発車してしまう。
従って、塩尻で〔アルプス〕から〔ちくま〕に乗り換えることはできない。
しかし、松本では、9分間、〔ちくま〕と〔アルプス〕は並んで停車する。
座席を確保する目的で、塩尻で〔アルプス〕を待つのは、無意味なのである。
もっとも、私が急行券を買った時、このようなことを考えたわけではなく、
特に理由はなかった。何も考えていなかっただけである。
この日は、大阪から信濃森上へ行く〔くろよん〕も運転されることになって
いた。そちらに乗っていれば、急行料金が安くなっていたわけであるが、後の
行程に自信がなかったので、定期の〔ちくま〕と〔アルプス〕を選んだ。
後で調べてみたところ、長岡で追いついていた。ま、いいや。
4時19分。客の交換を終えた〔ちくま〕は、一足先に、長野へ旅立った。
〔アルプス〕の方は、“がら空き”だった。4人分の座席を占領した。しか
し、30分後には終点である。熟睡はできそうにない。
松本発4時32分。401M。モハ182−1025:長モト。
ひさしぶりの大糸線。残念ながら、外はまだ暗い。
信濃大町着5時5分。
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■■■■■■■■■■■■■ 6 大糸線(1) ■■■■■■■■■■■■■
〔アルプス〕は、時期によっては、普通列車となって南小谷まで行くのであ
るが、その時期には入っていない。南小谷への普通列車に乗り換える。
信濃大町発5時10分。1323M。クモハ114−1513:長モト。
〔アルプス〕の山屋たちは、そのまま、この列車に乗り換えたようだ。
しばらく眠った。白馬あたりの記憶がない。
山屋たちのほとんどは、白馬大池で降りた。
南小谷着5時54分。
待合室のストーブに火が入っている。しかし、何かがもの足りない。
駅の事務室の黒板に、“特雪”の時刻表が書かれている。
そうだ。ここは、豪雪地帯のはずなのに、街に雪がないのである。
松本電鉄バスと、ホテルグリーンプラザ白馬の送迎バスの乗務員が、待合室
まで呼びにくる。
糸魚川行きの発車が近づいた。
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■■■■■■■■■■■■■ 7 大糸線(2) ■■■■■■■■■■■■■
クモヤ145を従えた115系が停まっている。松本行き普通列車に、霜取
り用に連結しているのだろうか。
南小谷発6時37分。423D。キハ52 115:金ホク。
ここからは、非電化区間である。ひさしぶりの気動車。
ようやく、明るくなってきた。雪が少し残っているが、豪雪地帯のイメージ
にはつながらない。
ワンマン仕様の気動車の運転室後ろの窓には、運転士の名札がある。バスの
ようである。
線路の左右を行き来する川には、未だに、“姫”の爪痕が残る。
左側の空に半月。
乗客は6人で、全く乗降はない。
北小谷で、運転停車中の〔シュプール〕と交換である。姫路から白馬へ行く
〔シュプール白馬・栂池3号〕である。京キトのキハ181系7両。気動車の
〔シュプール〕は、話を聞いたことはあったが、見るのは初めてである。
続いて、小滝で、再び〔シュプール〕と交換。今度は、隣を通過して行った。
神戸から南小谷へ行く〔シュプール白馬・栂池5号〕である。キハ181系7
両であるが、米トウの車両であった。
それにしても、雪もないのに、〔シュプール〕など運転して、どうするのだ
ろうか。両列車とも、満員とは言わないが、客は乗っていた。
スノーボードを積んだ車が、日本海側から南へ押し寄せる。いい気なもんだ。
根知で、高校生とおぼしき少年が2人、ひさしぶりの乗車。
DD16 300番台やDD15、そして、〔シュプール〕のヘッドマーク
をつけたDE10などを右に見て、糸魚川駅に滑り込んだ。
糸魚川着7時28分。
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■■■■■■■■■■■■■ 8 日本海縦貫線 ■■■■■■■■■■■■■
改札外へ出た。小雨が降っている。特に、することもないので、待合室に篭
った。
気動車とは、しばしの別れ。ここからは、また、電車の旅である。
糸魚川発8時2分。525M。クモハ419−9:金フイ。
3両編成の切妻型近郊型電車である。屋根が高い。そう。583系寝台電車
からの改造車である。まだ走っていたのだ。
すぐに、死電区間の停電を終え、直流区間に入った。
梶屋敷。地元の婦人だと思ったのだが、半自動扉の前でボーッと立っている。
あれ。地元の人じゃないのかな。
ようやく、日本海が見えた。冬の日本海のイメージはあるが、さほど荒れて
はいない。
直江津着8時42分。
糸魚川で買った“夫婦(めおと)釜めし”を、ホームで食べた。最近の“釜
めし”は、釜に入っていない。釜の形の、合成樹脂製の容器に入っている。
“浪漫”と称する、長野の14系団臨用客車が、停車している。日傘をさし
た御婦人のシルエットのマークが目立つ。
直江津発9時10分。1333M。クモハ115−1064:新ナカ。
直江津で買った“磯釜めし”を食べた。こちらは、一応、釜であるが、蓋が
合成樹脂である。
犀潟で、北越急行線が分岐する。
なんとなく、窓の外を眺める。日本海が見える。
柏崎のあたりまでくると、日本海とはお別れである。
宮内着10時28分。
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■■■■■■■■■■■■■ 9 小出スキー場 ■■■■■■■■■■■■■
30分ほど時間があるが、ホームで待つことにした。
高校生くらいの女のコたち。やかましい。
宮内発10時55分。1732M。クモハ115−1531:新ナカ。
けっこう混んでいる。座席はあるが、座るほどの時間でもない。それに、座
ると、眠ってしまいそうである。
飯山線の接続駅、越後川口。やはり、雪はない。
小出着11時24分。
あまりにも時間があるので、外を歩いてみた。
駅前のそば屋の店先にある水槽。コイと一緒にイワナが泳いでいる。なんと
なく変である。
“小出スキー場”という看板がある。登ってみよう。
10分くらい上り、“スキー場”にたどりついた。
小規模ながら、まぎれもない“スキー場”である。しかし、12月の下旬に
入ったというのに、降っているのは、まぎれもない雨である。
街を見おろすため、“スキー場”の上へ。雪がないから、“スキー場”は営
業していない。いや、営業できるわけがない。当然、リフトも動いていない。
ぬかるみを歩いて登る。
ところが、リフトが動く音がする。「お進み下さい」という、合成音声が、
繰り返し聞こえる。
小さな山の頂上にたどりつくと、裏側の斜面に架かっているリフトが、確か
に回っている。もちろん、客はいないし、第一係員もいない。何のために動か
しているのか。
小規模なジャンプ台もあった。小規模とはいえ、まっすぐに滑り降りるには
度胸が必要だ。
しばらく街を眺め、下山した。
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■■■■■■■■■■■■■■ 10 只見線 ■■■■■■■■■■■■■■
小出発13時3分。434D。キハ58 1526:仙ワカ。
セミクロスシートに改造されている元急行型。
薮神を出て、すぐに、車内改札。
越後広瀬を過ぎると、右にスキー場が見えてくる。やはり、雪はない。
それでも、次第に、雪が多くなってくる。しかし、“白銀の世界”には、ま
だ遠い。
大白川まできて、初めて、ここが通票閉塞であることを知った。
田子倉の湖を過ぎ、山を越えてしまうと、また、雪がなくなった。
只見。小雪が降っている。
水面に、鴨のつがいの群れ。
列車の速度は、かなり遅い。25パーミルの勾配が連続する線であるから、
やむを得ない。
会津若松着16時56分。
すぐに、磐越西線に乗り換えなければならない。
次の機会には、新津から郡山まで、磐越西線に乗ってみたい。客車列車がな
くなって、魅力が少なくなったが、喜多方−新津間は、非電化である。
会津若松発17時6分。1232M。クハ455−37:仙セン。
既に暗くなっているため、車内でボーッとしているだけである。
郡山着18時23分。
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■■■■■■■■■■■■ 11 ラストスパート ■■■■■■■■■■■■
郡山駅のホームで、立ち食いそばを食べた。
「ありがとうございました。お気をつけて」ずいぶん愛想のよいそば屋サン
である。
新幹線ホームに上がり、“山菜ちらし”を買った。
〔やまびこ〕+〔つばさ〕の17両編成を見送り、〔やまびこ〕単独の12
両編成に乗り込んだ。
郡山発18時46分。2146B。221−1517:仙セシ。
停車する度に、車内販売のワゴンが通る。
“山菜ちらし”を開いた。
小山以外は全て停車のタイプの列車である。時間がかかる。
東京着20時20分。
そして、最後の列車に乗り換えである。
東京発20時33分。887M。モハ211−2010:東チタ。
やっと、通勤経路に近づいてきた。
そして、見慣れた風景。
戸塚着21時10分。
21時20分に、バスは発車。そして、21時27分には、アパートの最寄
りのバス停に着いてしまった。
そう。順調なら10分とかからない区間なのである。それなのに、なぜ、通
勤時間には45分もかかるのだ。
ま、ここで腹を立ててもしかたがない。おとなしく帰ろう。
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