駅員や乗務員に文句を言う前に
列車の遅れや運休が発生すると、駅員や乗務員などの係員に文句を言う客が
現れます。
暴力行為に及ぶ場合もあるようです。
自分は、金を払って列車を利用しようとしているのだ。遅れや運休など
は断じて許さない。
おそらく、こんなことを考えているのでしょう。
しかし、ちょっと考えてほしいのです。
旅客は、鉄道会社との間で、旅客輸送の契約を結びます。契約を結んだこと
を証明してくれるのが、乗車券類(いわゆる“きっぷ”)です。
すなわち、あなたが自動券売機や窓口できっぷを買い求めるたびに、あなた
と鉄道会社との間に、旅客輸送の契約が結ばれるのです。
契約が結ばれる以上、そこには、約款が存在します。JRの場合は、旅客営
業規則と呼ばれる文書が、代表的な約款となります(他に、きっぷごとに定め
られる約款が存在することがあります)。
そして、その約款には、列車が遅れたり運休となったりした場合の取り扱い
について、詳しく定められています。どこを見ても、
旅客は、列車の遅れや運休が発生した場合は、係員に対し、文句を言っ
たり暴力行為を加えたりすることができる。
などとは書かれていません。
旅客の権利を過大解釈するのは、やめましょう。
※ 「旅客営業規則など知らない。見たこともない」などという主張は通りま
せん。きっぷを買った以上は、約款を読み、承知したことになるのです。約
款を読まずに契約を結ぶのは勝手ですが、約款を読まなかったことを理由と
して、「約款など知らない」などと主張するのは、筋が違います。
※ もちろん、自分勝手に規則を解釈したり独自の規則を作り上げたりするよ
うなタコ係員を、支持したりはしません。